塗料の密着力について
2023.12.28 (Thu) 更新
長野県長野市、上田市のみなさん、こんにちは!
本稿は塗膜の密着力に関して、事例をもとに記載してまいります。
結論から申し上げると「クリア塗装は下地の状態がよくないと施工後10年経たないうちに剥がれてしまうことがあります」という記事でございます。
それではまず初めに、下の写真をご覧ください。
こちらの外壁にはクリア塗膜塗装がされており、施工後7年程度です。
アパートの管理業者様より「アパートのオーナー様がかわられたので、このタイミングでメンテナスの必要があれば、新しいオーナー様へご提案したいので調査をお願いします。まだ艶も残っており何も必要がないかもしれませんが、、、」という依頼をいただきました。
確かに全体的には艶が残っており、まだ再塗装の必要はないようにも見受けられますが、、、
日当たりの良い面の写真です。
白濁色に濁った塗膜がぺりぺりと剥がれておりました。これは、塗装をする前の下地(外壁材)の状態がよくないところへ、クリア塗装を行ったためみ、密着力が弱く、剥がれてきてしまったと考えられます。
クリア塗装は下地の模様を温存できるため、外壁の模様を気に入っていらっしゃる方に人気がございます。外壁の状態がよければ問題なく塗装が可能ですが、外壁が傷んでいる所にクリア塗装をすると、上記のようになる可能性が高くなります。
塗膜が白濁色に見える原因は、塗装前に既に色あせ(チョーキング現象)が生じている所に透明な塗料を塗ったことで、粉になった塗膜がクリア塗膜に混ざったことだと考えられます。
このような施工不良が生じないように、クリア塗装をお考えの際は、外壁材の状態を念入りに確認する必要がございます。
最後に、下記の写真をご覧ください。
※同じ物件ではありますが、テープを張った場所と、下記のテープを剥がした際の写真の場所は、異なります。
このように密着試験を行ったところ、明らかな剥がれが生じていない箇所でも、外壁とクリア塗膜の密着力が弱いことが確認できました。
このように密着力が弱い塗膜の上に再塗装をすると、施工後10年経たないうちに、古い塗膜ごと、塗りたての塗膜が剥がれてきてしまうリスク生じます。
上記の調査報告を踏まえ、この度のメンテナンスでは、古い塗膜を全面剥離したうえで新しく塗装をかけるという、少々手の込んだ仕様で塗装を行う運びとなりました。
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